第四回観音文化国際シンポジウム

一、始まり

静けさに耳を傾けることから

2020年、新型コロナウイルスの感染拡散で世界中は恐怖に襲われ、一旦、停止ボタンが押されたように、しばらくポーズを置いて静けさと共にいることになりました。世界中のしばらくの休止を省みると、今まで人間は野心や欲望のため、積極的に外へ拡張し、無制限に地球資源を搾取した結果、母なる地球が生態と環境の災難に陥るようになったのが間違いありません。私たちの母なる地球はすでに大変困窮な状態ですが、コロナの「おかげ」で、バランスが崩れた地球が少しだけ呼吸する時間ができました。

コロナはある意味で、我々に課した試練です。こういう不安の時代に、いかに心の安定を保ちますか?気力が失った日々に、人々は心で聞いてみる、静けさに耳を傾けます。まさに無声の声に耳を傾けることで、有声の声を悟ることができます。「無」に「有」が含まれることがわかったら、虚無への恐怖が消えます。静けさに力が溢れます!静けさに、私たちは愛と慈悲の存在を探求できるし、愛と慈悲の存在が聞こえます。英語に、「listen」(聞く)と「silent」(静けさ)は同じ字母が入ることがよく知られます。私たちは声に耳を傾け、そして、無声に耳を傾けー声の間の声も。現在に没入し、あらゆる時間に耳を傾け、そして、思考が広がります。正にディラン・トマスの詩句「緑の導火線を通って花を咲かせる力」のようです。私たちはこの力を信じます。この力は想像の力を代表する、いわゆる想像力と霊性ということ。特に世界中はコロナ禍の災難を経て、元々の軌道から外れ、現在、人々は外へ行って追求することができなくなり、内面に求める力が強められ、心の安定を求め、「ただいま」の静けさを求めることで、真新しい局面の始まりになるでしょう。いわゆる「静けさに耳を傾ける」のは、自分の本当の「聞くことによって心を癒す」能力なのであります。静けさとは、何もないという空無ではなく、自分と天地、生きとし生けるものと一体に生活し、あらゆるものに基づき、多様性と共生し、お互いに頼り合って、恐怖がない安定の生活ができ、地球も安定でき、人間の心も豊かにさせる永続的な力です!

「耳根円通」で 世界の音を聞き
以上の概念は、「耳根円通」法門と同じような趣があり、観音菩薩は「耳根円通」法門を修めるため、極めた成就を証め、殊勝の慈心と悲心が得られ、『法華経』の「応に何者の身を以って得度すべきものには、すなわち何者の身を現じて、しかも為に法をときたもう」のようで、三十二の応化身で、ないし無量の千百億の化身で無量の世界の国土を歩き、ありとあらゆるものを救済します。『楞嚴經』における「耳根円通」法門を話し、「我が観音如来をご供養し、彼如来が我に幻聞熏聞修金剛三昧を授かり、仏如来と同じ慈力のため、身が三十二応に変化、諸国土に入る」と言い、また「十四種の無畏の功徳」を身につけ、眾生に一切無畏の力を与えられます。そのため、世界中のあらゆる生命が、仏法を修行してもいなくても、観音菩薩はずっとそばにいます。ずっと心におり、眾生の困難を解決、眾生の苦を救済、人々に恐れがないように、心も体も安定できます。
人々は観音菩薩のことを「観音老母」と呼び、女性の慈悲、母親の慈愛を、命の最初に最も親しい叫びを代表します。あらゆる人間は、苦難に遭うと、最初に頭に浮かんだのは、きっと母親でしょう。母親はいつも無条件で与え、必死に自分の子供を守る存在です。しかし、普通の母親は畢竟凡人で、限界がありますが、菩薩は違います。菩薩は母親の慈悲と愛が備わるし、非凡の力をもち、無量無辺の救済が可能です。女神の信仰の力がどこでも届けられます。観音菩薩の聖なる名号を念じると、衆生を災難から救い、求められれば応じてくれます。また庶民の生活に即すため、入門は簡単で、皆喜んで修行することが可能です。そのため、観音信仰は大なる河川のように、あらゆる霊性のある種に流れます。

「彼観音力を念じ、人間に浄土が現れる」
かの観音力を念じると、慈悲の力を通じて、苦難から人間を救済する観音菩薩が娑婆世界で現身し、如何に愛と慈悲で人類やあらゆる生命に救済の心を発揮することを教えてくれます。『維摩詰經』の「心が清められ、すなわち浄土が浄められる」の説法のように、清浄なる仏土が欲しければ、心を清めるべき、心が清められれば、浄土が現れます。しかし、今の地球の生態危機を省み、各種の天災や苦難や伝染病が絶えずに起こって、地球で生活する眾生が不安や恐怖を感じざるをえないです。我々は慈悲や和平の力によって眾生を繋げ、観音菩薩の愛と慈悲の共振力で地球を愛し、地球の危機を退治しかありません。苦難から衆生を救済する心は、観音菩薩の慈悲心であり、種族、宗教、貧富の差を問わず、愛という心があるならば、あらゆる人間は観音菩薩の化身です。
第一回の観音シンポジウムでは、「百八観音」のイメージを主題として、多様化の視野を通して観音菩薩像を研究、そして第二回、第三回のシンポジウムでは、時間と空間で観音思想の時代に従う進化を探求しました。

観音菩薩再現の平安時代
2022年の第四回観音文化国際シンポジウムで、観音菩薩の慈悲・救世の精神から出発、観音力を念じ、人間を疫病・苦難から救い、現在の地球が直面する危機を再考しようとします。いわゆる「浄土」がいまだに存在しているのですか。どのように「観音浄土」「人間浄土」を定義します?観音菩薩の慈愛精神によって具体的な行動で地球の生態危機を変ることを提案し、観音精神を再現させ、手を繋げ、ポストコロナの「平安の時代」を創造します。

 

二、主題・方向

(一)主題
念彼觀音力 人間淨土現(かの観音力を念じ 人間世界に浄土が現れる)
観音菩薩が再現・オンラインの平安時代

趣旨:
観音菩薩の慈悲・救済の精神から出発、観音菩薩の「女神」の信仰が人々に愛と慈悲の力を届け、母親の臍の緒を通じて子供に栄養を与えるように、観音菩薩が二十四時間オンラインで、無条件で保護や愛情を与えます。母体を離れた私たち、宇宙から頂いた豊かな自然を感謝すべき、命を頂いた母親に感謝すべき、皆一人一人自分から具体的な行動で高熱を出た危機に瀕した「母なる地球」に思いやりをします。そして、「観音浄土は、すなわち心の浄土」であることを人間の「浄土」の意味を思考し、観音菩薩の慈愛精神を掲げ、具体的な行動によって地球の生態危機を救い、地球中の人々と大地の平安を守って、人間の永続的な「平安時代」に参加してもらいます。
 
(二)方向
1. 仏教の世界観
2. 観音菩薩のいるところ--淨土v.s穢土
3. 観る世界「音」(世界の音を観る)--仏号を念じること、呪を念じること、音を観ること、禅を修めること、静けさを聞くこと
4. 念彼觀音力(かの観音力を念じる)—耳根円通法門、平安禅、霊性生態学
5. 人間淨土—心が安定すると、世界が安定する。尊重する、包容する、博愛、そして霊性生態における実践

 

三、日程
 ● 2022年9月28日(水)
台湾時間:AM10:00-PM 6:00/
日本時間:AM11:00-PM 7:00

 

四、会場
● 台灣会場:靈鷲山聖山寺善法楼三階
● 日本会場:名古屋市音楽劇場メニコンANNEX


五、会議の進行
オンライン開催・対面併用開催

 

六、指導機関、共催・主催機関
● 指導機関:新北市政府
● 主催機関:靈鷲山仏教基金会、靈鷲山無生道場
● 共同開催:靈鷲山全球百八観音文化総会 /
生命和平大学籌備處 /日本脩志学院           


七、內容:
 A. 論文発表
立川武藏/国立民族学物館名誉教授
周  夏/同朋大学仏教文化研究所委託研究員
賴賢宗/国立台北大学中国文学学科教授、東西哲学と解釈学研究センター主任
紀雅雲/スリランカケラニヤ大学パーリ語と仏学研究院修士
陳玉峯/台湾生態協会創始者、理事長
李鴻源/台湾大学土木工程学科教授
簡瑛欣/国立羅東高商教師
 
B. パネル:「観音精神を通じ、如何に現代における生態危機を変える」
● 司会者: 林美容、周夏
● パネリスト:
立川武藏教授、周夏教授、虎山義秀教授、賴賢宗教授、
紀雅雲先生、陳玉峯教授、李鴻源教授、簡瑛欣先生


八、スケジュール、内容、発表者
2022年9月28日(水)

 

 

発表者と論文要旨

賴賢宗,台湾台北出身、1962年に台北生まれ。

台湾大学哲学博士、1998年にドイツのミューヘン大学で哲学博士の博士号を取得。現職、台北大学中国文学学科教授、東西哲学と解釈学研究センター主任。

台北大学中国文学学科主任、中文研究所所長(2005〜2012)、第五回台北市丹道文化研究会理事長、THCI学報『思と言 人文と社会科学研究誌』編集長を務め。

『仏教における解釈学』(北京:北京大学出版社,2009年)、『ハイデッガーと道家禅宗の文化をこえるコミュニケーション』(北京:宗教文化出版社,2007年)、『境界美学と解釈学』(北京:北京大學出版社,2009年)など20冊以上の学術書を出版。


仏教生態哲学とインターナショナル視野における対話:天台宗の「境」、「世界」を通じての生態哲学的思考
華厳宗と天台宗は仏教思想の重要な代表であり、本文は天台宗に基づき、華厳に関わる立場で仏教生態学を探求、またインターナショナルの視点で仏教生態哲学、特に観音菩薩の生態学禅法を考察し、そこから道教思想、日本の京都学派哲学、またドイツの神学との対話における生態哲学の可能性を求める。

本文は三つの部分から成り立ち、以下の三点を明らかにする。1現在台湾仏教の環境保護思想の争いにある理論背景と基本問題。2華厳の法界観、天台仏学の心境並建哲学に含まれる生態学。3インターナショナル観点の生態哲学とそれが仏教生態哲学に対する意味を述べる。

次は、第二部分で、本文は天台宗仏学の「心境並建」という哲学に含まれる深度の生態学を明らかにする。1形而上の批判によって2イデオロギーの知識批判によって3生態という価値観によって、天台宗仏学の生態エコという環境保護の哲学的意味を明らかにする。

最後に、第三部分で、道家思想、日本京都学派哲学、ドイツ哲学界と生態思想界の関連論点を整理し、現在台湾における台湾仏教の環境保護思想の理論構築を助け、国際コミュニケーションという生態エコ哲学を成立させる。
キーワード:生態学、環境倫理学、天台宗、台湾仏教、華厳仏学


 

立川武蔵は、日本の宗教学者。国立民族学博物館名誉教授。専攻は仏教学・インド哲学(インド文献学)。

愛知県名古屋市生まれ。東海高等学校を経て、1964年名古屋大学文学部インド哲学専攻卒、1966年同大学院修士課程修了、1967年同博士課程中退、1970年ハーバード大学大学院インド学科博士課程単位取得退学、1975年The structure of the world in Udayana's realism により同大学Ph.D、1985年「中論の思想」で名大文学博士。

▎来歴

名古屋大学文学部講師、1973年助教授、1982年国立民族学博物館助教授併任、1989年名大および民博教授、1992年総合研究大学院大学教授併任。2004年3月民博名誉教授、同年4月から2011年3月末まで愛知学院大学文学部国際学科教授を務めた。

仏教、ヒンドゥー教をその原典に立ち返って解釈する仕事を行なっている。

▎受賞・受勲歴

1991年 アジア・太平洋賞特別賞(「女神たちのインド」により)

1997年 中日文化賞

2001年 中村元東方学術賞

2008年 紫綬褒章

2015年春 瑞宝中綬章

仏身と仏刹
阿弥陀仏と大日如来                       

親鸞の『正信偈』と空海の『即身成仏義』を取り上げます。『正信偈』において親鸞は死という超越に阿弥陀仏という尊格をとおして向かい合っています。彼にとって阿弥陀仏は世界を超越することによって世界を「外から」浄化する存在です。その際、親鸞にあって器世間はそれほど重視されませんでした。親鸞にとって肝心なことは死後の魂の安寧だったからです。
空海の『即身成仏義』において、六つの構成要素(六大)によって造られたマンダラとしての世界は大日如来の身体です。空海にあって世界が如来の身体であるとは、世界が聖化されていると考えられていたことを意味しています。この空海の世界に関する考え方は、諸法実相という大乗仏教におけるかのスローガンと軌を一にするものでした。空海にとって大日如来は世界に内在し世界の「内から」世界を浄化する存在です。
世界の超越つまり死の観点から世界を見守る阿弥陀と世界に内在して世界を浄化する大日とは相反する存在ではなくて、両者は共存すべき存在です。


 

現職:同朋大學佛教文化研究所委託研究員 / 脩志學院(Shuhshi institute)理事。

學歷:日本名古屋大學本科,碩士畢業。 愛知學院大學博士。

專長領域:專攻梵文文獻學、印度哲學、印度思想史、佛教文獻學、佛教思想史。

在日華人,佛教重要經典譯者,主要研究《華嚴經》,在日本生活20多年, 精通日文,佛典翻譯比對校訂與華嚴思想研究。

師從大阪國立民族博物館名譽教授愛知學院大學教授立川武藏、名古屋大學勝論派邏輯學專家和田弘壽教授、梵文文法學專家畝部俊也准教授。在大學攻讀 學位期間曾閱讀印度六派哲學主要經典及主要耆那教經典,力求從文獻學角度解 析印度思想史。亦曾協助立川武藏教授進行印度婆羅門護摩儀軌研究。主要以文獻學方法論研究印度華嚴佛教思想的形成。

博士論文主要記載印度華嚴思想初期形成的特點以及傳入中國後的發展特點。同時也聚焦普賢行願思想,提出十大行願思想形成於中國,是漢地佛教發展的產物,其中有印度佛教七支供養的收容成分等學術觀點。在文獻學方面,校訂 《華嚴經》藏漢對照文本以及《普賢行願贊》梵漢藏對照文本。校訂後的《普賢 行願贊》是目前最精確最完整的文本。

曾發表學術論文包括:〈華嚴佛教思想之形成〉、〈《華嚴經》中的諸佛與 世界〉、〈普賢行願 思想之形成「七支供養」與「十大行願」〉、〈金剛界曼荼羅 之研究〉、〈梵典宮藏梵文《普賢行願讚》〉、〈Bhadracarīpra idhāna and Avata sakasūtra〉(《賢行願》 與《華嚴經》) 、〈此方與彼方-華嚴世界與極 樂世界〉、〈大乘佛教的救濟思想 -《華嚴經》與誓願〉、〈震災後日本人的行 為-佛教的日本式融合與變遷〉、〈關於榆林窟第15窟天王像〉、〈宗喀巴對無 自性的理解〉等。

極楽浄土と華厳浄土

阿弥陀浄土信仰をもつ人々の共通認識として、阿弥陀仏がとどまる極楽世界は荘厳清浄なものであるゆえ、阿弥陀浄土を信仰する人々にとっては「娑婆は穢土、極楽は浄土」という認識は絶対的なものである。一方、『華厳経』に見られる浄土の概念は可変性があって、相対的なものである。
『華厳経』においては淨と不浄の間の明確な境界線を示していない。同じ認識対象である娑婆世界に対して淨または不浄と判断するのは認識主体の基準によるものである。『華厳経』「入法界品」の解釈によると、娑婆世界は浄土として認識されるのは十分な善根をもつことを前提としている。同じ善根でも阿弥陀浄土の信奉者は極楽世界への往生の必要条件としているのに対して、『華厳経』においてそれは穢土である娑婆世界を浄土へと転変させるための必要条件となっている。したがって、『華厳経』が語っている思想は現代に活きる人々にとって、来世まで待つよりも現世の己の努力によって、娑婆世界も浄土になれるという積極的一面も提示されたのである。


 

1964年イタリア生まれ、アメリカ育ち。
―アメリカマサチューセッツ大学を卒業。
―アモイ大学中医学科および鍼灸学科の証書取得。
―スリランカケラニヤ大学パーリー語及び仏学研究所修士。
アメリカの大学を卒業し、アジアへ東方の知恵を求めた。ネパール、そしてインドで正式の仏教訓練を受けてから、香港の仏教センターで教鞭を取る。

1989年に、南懷瑾氏と出会い、南氏は雅雲にアモイ大学で中医を勉強することをお勧めした。南氏に付き添いの30年間に、一週間の集中講義で何回も通訳を務めた。

道を追求する旅はアジアのみならず、中国、インド、ネパール、スリランカ、ベトナム、ドイツなどを遍歴、今は長らく台湾に居住している。今までの三十年間、仏学と修證を研究し、教育、翻訳、プロジェクト管理、身心霊の音楽治療(琴床、頌缽、音など)の仕事に取り組む。なお「至善社会福利基金会」の創立、担当を務めた。

現在、台湾南部に在住、各種類のワークショップやレクチャーを担当、身心霊の音楽治療に取り組み、南氏の著作を翻訳。

花が咲くのを聞く〜観音さまの聖なる名号の秘密
観音の縁を、裸足で求める。「耳根円通」法門で、心性が続く。
いかに世界に思いやりをする?仏陀の行いを「三千威儀」から観る。
いかに地球を癒す?まず衆生の心の音を「八萬細行」から聞く。
たとえ深海に凍結された石でも、本来の光音波が備わる。在家出家の二つの殊勝の界で、観音菩薩の力で、彼岸へ渡る力で、慈と悲を含み、世界を完全させる。

 

陳玉峯
台湾生態学会の創始者・理事長

台湾雲林出身、1953年北港生まれ。
1980年、台湾大学で理学の修士号を取得。
1993年、東海大学で理学の博士号を取得。
1981〜1983年、台湾大学植物学科の助手として務め。
1984〜1989年、逢甲、東海、靜宜の諸大学で教鞭を取る。
1998年、正教授に昇任。
1984~1989 年間、内政部営健署墾丁及び玉山国家公園の解説と保育研究課技士、技正、課長を歴任。体制内における生態保育研究と解説教育の領域を開拓。
1994年から靜宜大学で副教授として教鞭を取る。
1989年、専任教授に昇任。
1991年、台湾生態研究センターを創立。最も積極的に人文や自然生態を広める民間機関の一つ。
1998年から、靜宜大学聖大学研究所及び生態学科の設立に検討、執行。
2001年、靜宜大学で台湾最初の生態學研究所を設立。
20003年、私財百万元を投入、募金三千万元を加え、靜宜大学で「台湾生態及び人文情報館」を設立。
2003年7月、「総統文化賞−鳳蝶賞」を受賞。
2003〜2004、靜宜大学の副校長に。
2003年、教職を辞退、改めて読書し、世界中を旅して再学習の生活に入る。仏法に専念。台湾の山林の植物生態や分類をテーマとし、30年以上の山林調査を重ね、生態保育運動、教育、社会運動、政治運動、ネーチャーライティング、自然写真、講演に携わる。台湾の山林植物の生態や分類に関する学術論文を100本以上発表、専門書を41冊発表、台湾における生態学と自然学の第一人者。
『天下』雑誌に台湾で影響力のある200人に選ばれ、広く尊重される良心的行動家。

観音菩薩と台湾禅についての解析
東方の文化における、「すべての哲学が宗教になるのは、インドであり、すべての宗教が倫理に帰すのは中国である。中国人には、主観と客観の区別がない、中国史に現れた半人前の英雄は項羽」という説がある。明鄭王朝が台湾に前述の帝制倫理を導入し、台湾に現存する三万あまりの「宮廟」や台湾人の生活に残し、再生した。鄭氏の軍師こと陳永華は三太子の「隠される禅」を取り入れ、無形の教化を、宗教という隠れ蓑によって、清国の追究、殺戮を逃避し、また里山に入り、原住民と結合、台湾中に逃亡。
本文は李岳勳氏の作品『禅が台湾に』を借りて、台湾における伝統的宗教の意味を、また媽祖と王爺は政教同一の時代背景下に、禅門観音の入理法門から発展される応現観音であることを明らかにする。なお、筆者は観音の原型を遡り、観音が正に意識活動の比喩で、台湾伝統宗教の構造は「本体観音―応現観音―三太子禅除分別識」の方法論を提出し、「観音法理」と呼ぶ。さらに、廟の空間配置について、後ろに観音菩薩を祀り、正殿に他の神を祀り、そして三太子の香炉を置くという配置は三つのレベルを示し(「サンドイッチ方式でも言われる」と同様に、庶民の居間の神棚も同じ配置で、まさに「居間は簡単化された廟」であり、有形・無形の台湾禅の教理を伝えるのである。
しかし、台湾の文化や哲学には五大システムがあり、鄭氏の帝制倫理以外、250万年以来土地の生成の文化基礎、原住民の自然情感と土地倫理、(以上の二者は七十年以上無視されてきた)、そして三十年来発展中の「民主、自由と法治」が取り上げられる。そして観音法理は全世界の生きる者へ、次世代のものへ届くことができ、それは心道法師が一生懸命取り組む道であり、筆者の言う観音生態学である。

キーワード:観音菩薩、台湾禅、李岳勳、観音(霊性)生態学

 

李鴻源教授
国立台湾大学教授(1987年〜)
水利署署長(1997-1998年)
台北県副県長(2005-2009年)
公共建設委員会部長(2011-2012年)
内政部長(2012-2014年)
李鴻源は持続可能の事業に取り組み、専門研究のほか、実際の経験を取り入れる水利の専門家。台湾最初の水利処処長であり、在任中、台湾は各種の災厄に遭い、李鴻源は台湾政府の支持を受けて、水利処全体の努力を集め、台湾における水利施設の建設と組織の再編に重要な貢献をした。同時に、政府と深く関わり、政策決定に参加した過程で、今まで頼りにした工事のやり方は、すでに過度の開発や気候変化がもたらした環境問題に対処できなくなり、持続可能の発展だけは地球の災難を解決できる唯一の処方だと思うようになった。

2005年12月に、台北県副県長を務めていた期間、県長の市政を積極に助け、台北県の水利工事、防災、救災、原住民、外国人配偶者の子供の教育問題などにおける、顕著な進歩と改善を示した。

2007年に県政推進組を成立し、「新莊中港用水の沿岸改造」「二重疏洪道の大台北都会公園」、県内の人工湿地計画などを推進、持続可能の概念を新北市に根ざすことを目指し、台北県を現代化でエコの大都会に発展させ、進んでこの理想を台湾中に広める。

2009年に、極力的に「両岸緑色合作基金経営計画」を進め、「両岸緑色基金会」を成立、両岸緑色生活を作るのを目標とし、「人類の大なる利益を求め、中華の価値を作る」をスローガンとし、中国大陸と台湾のリーダーたちの参加を要請して、両岸の共作新モードを掲げた。
水利環境の功績で称賛を受け、2008年アメリカアイオワ大学の優秀卒業生に選ばれ、2009年にアメリカアイオワ大学水利研究所の諮問委員会委員に招聘された。

地球に布施を
1グロバリゼーション、地球温暖化における人間の未来、末世?

2テクノロジーの発展は解決策?

業:人間関係から人間と環境との関係に拡大

3自分に立ち返る、六字大明呪、唵嘛呢叭咪吽 Om Mani Badami Om

心にある蓮の種を灌漑する

4.仏:悟りを開いた者、徹底的に宇宙の倫理と生命の真実の人を悟ったひと

仏法:宇宙の自然法則

道徳経:人間、地に則る、天に則る、道に則る、自然に則る

5人間と神との関係
崇拝、信仰から対話
仲間関係から共同管理
6地球に布施を
仏法の具体的な表現、気候変化と一人の人間との関係は?

水フットプリント、カーボンフットプリント

千里の行路は足元から。Think globally and act locally

7世界の各宗教の変化

靈鷲山:生命平和大学。東南アジアや発展中国家に向けの技術向上、低炭素農業、ミニローンで貧困を脱することからの宣教活動

キリスト教:東海大学、東大渓、リサイクル経済、低炭素キャンプス


カトリック教会:輔仁大学 キャンプスの再計画、ローインパクト開発、雨水リサイクル、千以上のカトリック教会大学

中国仏教会:各宗派の力を集結。まず自分から、水、カーボンのフットプリントから炭素を減らすことで、リサイクル経済を作り、世界に向かう。Taiwan can really help.


8 これは私個人の修行の大願
「揭諦,揭諦,波羅揭諦,波羅僧揭諦 ,菩提薩婆訶(ぎゃてい ぎゃてい はらぎゃてい はらそうぎゃてい ぼじそわか)」、皆様共に頑張りましょう。般若充滿の彼岸へ。

 

政治大学民族学科博士。現在は国立羅東高商教師、教職のかたわらエコフレンドリーな自然農法に携わる。主な研究興味は、台湾民間信仰における神の祖廟であり、また国際華人の民間信仰に関心を持つ。民間信仰に関する論文を多数発表し、学校の教育現場にも研究を取り入れる。
(1)「香港における福建移民の廟と交流形式」、『民族学界』、第41期,台北:国立政治大学,2018。
(2)「台湾における祖廟」、『思想』第三十期、「宗教の現代変貌」特集、台北:聯經出版、2016
(3)「権威、仲介と国境をこえること:シンガポート・マレーシアの華僑信仰における祖廟想像」、『華人宗教研究』、第七期、台北:国立政治大学、2016。

(4)「祭祀、境界を超えること、親睦会―蘭陽平原に開漳聖王の信仰における廟的ネットワーク」、宜蘭県史館『宜蘭の宗教と信仰』、『宜蘭研究』第12回学術シンポジウム論文集に収録。

(5)「蘭陽平原に番人との関係に関わる神と廟」、『第12回台日原住民族研究シンポジウム論文集』、台北:国立政治大学原住民族研究センター、2019。
(6)「権威、仲介と国境を超えること:シンガポート・マレーシアの華僑信仰における祖廟想像」、張翰璧、蕭新煌編集『台湾における海外の客家研究』、台北:巨流出版社、2021。

現職 国立羅東高商主任秘書

冥銭の転化とエコフレンドリーな自然農法:
台湾民間信仰における「観音浄土」の実践
本文は観音信仰での「観音浄土はすなわち心の浄土」という精神を理念とし、基隆の山村の廟が冥銭の転化という実践、また宜蘭の農村がエコフレンドリーの自然農法を使用した実例を通じ、「観音浄土」が台湾の民間信仰に含まれる力を明らかにする。

まず基隆にある山村の廟の例を取り上げる。基隆臨水宮は陳靖姑を主祭神として祀り、観音菩薩などを配祀、冥銭を焼く汚染を減らすため、「龍票」、「寿票」、「銀票」を作った。廟が冥銭を焼くのを「冥銭」―「票」の対応関係に転化し、こういう冥銭から「龍票」、「寿票」、「銀票」への発展関係から、民間信仰が環境への配慮がされる時代的な意味を解析。
次は宜蘭の三星行健村と員山深溝村における観音信仰とエコフレンドリーの自然農法の例を取り上げる。例えば、有機農業を発展する行健村の代表的な廟、泰安宮が台湾を開拓した国聖爺を主祭神とし、観音菩薩などの神を配祀し、村の農民はエコフレンドリーの理念に基づき、オーガニック合作社を組んだ。員山深溝村の三官宮は三官大帝を主祭神とし、青年世代の農友を協力する村の年寄りは観音菩薩と縁が深い。両方とも、共同的に「観音浄土」を実践する好例である。

本論は地方でのフィールドワークによって、冥銭転化とエコフレンドリーの自然農法、一見関係ない例を、地方の物語から共同的なヒントを見出し、そして二軒の観音菩薩を祀る地方の廟は、冥銭を龍票冥票への、農村のエコフレンドリーの自然農法の物語から、自然生態に対する民間人の配慮と観音信仰との関わりを見つける。

キーワード:観音菩薩、観音浄土、冥銭、エコフレンドリー